地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
――ばあちゃんside――



今から18年前。


私たち夫婦に、初孫が生まれた。


名前は、渉のお嫁さん、樹里さんの樹を一文字とって。


“杏樹”と名付けた。



生まれた時から、樹里さんに似てかわいくてかわいくて。


おじいちゃんは、私に似てるとか言ってたけれど。


目に入れてもいたくない程、かわいい孫だった。




その頃は、まだ渉たち夫婦と住んでいたから、京都になんて、ほとんど来ていなかった。



だけど、やっぱり……杏樹は、神崎の血を受け継いでいたのよね。


普通の女の子として、私は見ていたけれど。

1歳で、おじいちゃんのマネをして、術が扱えた。





「この子が、次期神崎の当主になるであろう……」



おじいちゃんが言った言葉は、現実のものとなる。






これは、杏樹は知らないことだけれど。



おじいちゃんの霊力を超えているのは、私だけじゃない。



杏樹も、凌駕しているの。



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