地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
当主より、力の強い者が、ふたりもいれば、妖怪たちは寄ってくることは必須。


私たちを妖怪が取り込めば、神崎の陰陽師にも勝ることになるからね。


現に、杏樹が生まれてから、神崎家は退魔調伏の仕事が増えた。


私たちの子供は、3人いて、それぞれ得意分野で戦っていて。



しかも、ウチは陰陽師だけで生計を立ててはいなかったから、会社の運営もこなさなければいけなかった。



次第に、家族に疲労がたまってくる。



昼は会社で、大企業を動かし、夜は街中にいる妖怪を調伏して、寝る暇もなかった。




だから、おじいちゃんは、まだ幼い杏樹を護るため、修行を始めさせた。


始めた理由は、それだけじゃないけれど。


杏樹には、強すぎる力のコントロールが必要だったの。


でも、孫の強すぎた力を、まだ3歳の子供に制御させるなんて到底ムリ。


おじいちゃんは、思案に明け暮れた。











そんな時、京都にいる親戚から連絡が来る。



京都守護を任されていた陰陽師が、高齢で亡くなり、治安が悪くなったと……。



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