地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
それから、14年になるのかしら。

京都に住み始めて。


京都守護を任された翠に、時々霊力を貸しながら、私はのんびりと暮らしている。



あの時言った、『会いに行く』というおじいちゃんの言葉は、今でも実行されてて……月に数回。


多くの仕事をやりくりして、私に会いに来る。



でも、こっちに住み始めてから、杏樹のことが気がかりだった。



あの子は、私が傍を離れる前から、孤立していたから。


強すぎる霊力のせいで、バケモノ扱い。


友達もいなくて、妖怪たちとばかり遊んでいた。



おじいちゃんとの電話の度、会う度に、『杏樹はどう?』と聞いていた気がする。



住み慣れた家から京都に発つ日。


小さな杏樹を抱っこして、自分の秘密を話した。




「じいちゃんより、私の方が霊力は強いのよ? なんだってできちゃうわ」



そう言うと、杏樹はビックリした顔をして、この秘密に驚いていた。



「だからね、杏樹ちゃん。あなたが、もし困った時、助けが欲しいと思うことがあれば……いつでも頼って来なさい。じいちゃんにはできなくても、私ならできるから」



「いいの?」



杏樹は、3歳にして、ものすごく頭のいい子だったから、この言葉は理解したのだろう。




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