地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
その時。


「杏樹ちゃ~ん」


早和が、なにやらいい香りのするものを持って、縁側に現れる。


「あ、早和ちゃん!」

「お母さんに、中華粥作ってもらったよ!」


そう言って、杏樹にお盆を渡した。

早和も、杏樹の隣に座る。

お盆には、ホカホカと湯気を立てているおいしそうな粥と、お茶が乗っていた。


「ありがとう。さっそくいただきます!」


蓮華を持った杏樹は、早和に微笑むと、一口食べる。


「おいしい~! 真菜さんにお礼言わなきゃね!」


パクパクと口に運ぶ杏樹を見て、早和もうれしそう。


「杏樹ちゃん、それ食べたら……彼氏のこと教えてね?」

「ふがっ……!?」


早和の発言に、杏樹の食べる手が止まった。


あらあら……そんなに大口開けて。

美女が台無しだわ。



「いいでしょ!? 教えてよ! まだ写真さえ見たことないんだもん。いっつも杏樹ちゃん、彼氏さんのこと隠すし!」


プクッと頬を膨らませる早和に、杏樹は大慌て。


「いやっ……そんな見せるほどじゃ……」

「いいから、写メぐらいあるでしょ!? 見~せ~て~?」


かわいらしく言う早和に、杏樹はオロオロ……。


さっきは私に、あれぼど話してくれたのに。

恥かしいのかしら?


「杏樹ちゃん、私も見たいわ」


早和に加勢する。


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