地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
すると。


「だ、だって……高瀬くんは……私の……」


かわいらしい声で、ポツリポツリと言う茅那ちゃん。


た、高瀬くん!?

会長!


あなた、大人気のアイドルに、名前覚えてもらっているんですか!?


くそっ……羨ましいですぞ!!

それに、なに?

『私の……』って!!


ま、ままままままさか!



「この八岐大蛇の、彼女なんですか!?」


茅那ちゃんが続きを言うまで我慢できずに、叫ぶように問いかけた。



その瞬間。

――バキッ


会長が、病室の壁を殴る。


「陸。そのバカ、こっからつまみ出せ」


射抜くような目をした八岐大蛇が、閻魔大王に命令した。


しかし……。


「いや。俺も知りてーから、蓮答えろよ」


閻魔大王は、簡単には言うことを聞いてくれない。


いいぞ、陸!

よく言った!!


心の中でヤツに向かって、親指を立てる。


その時だった。

――ガラッ


「蓮~? 元気~?」


ノックなしに、病室を訪れる人々。


「「「「「は?」」」」」


その場にいた全員が、口をそろえた。

その人々とは、零ちゃんや柚莉たちで。

茅那ちゃんがいることに、ポカンとしている。

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