地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
コーヒーを口から離し、顔を上げる。


「なんだ?」

「……要は、杏樹には男がいるってことを周りに知らしめたらいいんだよな?」

「あぁ」

「簡単なことじゃねぇか」

フッと笑う蓮の意味がわからず顔をしかめた。


「どういうことだ」

杏の護る方法? 簡単?


そして、蓮は一言だけ告げる。


「マーキング」


一瞬ポカンとなるが、コイツの言いたいことに気付いた。


そうか……マジ簡単だったな。

杏に男がいることを示す方法。



でも……それは俺が一人前になるまでしたくなかったことだ。

杏にマーキングをするのは、本物だけだと決めていたから……。



「……小指で良いだろ?」

あ……そうか!


蓮からのアドバイスに、ハッとした。
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