地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
「蓮がッ……ロ、ロリコン!」
零ちゃんも、お腹を抱えて笑ってるし。
「うん、それもいいじゃないか?」
クスクスと品よく笑う西国くん。
「繭ちゃんの前で蓮は、メロメロのデレデレ顔だもんな」
ちょっとイジワルそうに相澤くんが言って。
その隣で、顔を隠しながら柚莉も肩を震わせて笑っている。
「今度から、ロリコンって呼んであげようよ!」
ニヤニヤと楽しげな表情のありさちゃんが言って……からかった。
散々な言われように。
「お前ら……許さねえ!」
八岐大蛇の会長が、ぶちギレるけど……みんなはケロッとしてる。
病室内が、笑い声でいっぱいになった。
そして、質問をした茅那ちゃんは。
「あれ? 違うんですか? いっつも『繭っ繭っ』と言ってるので……」
不思議そうなキョトンとした顔で、あたしたちを見つめている。
「会長は、ロリコンじゃないと思いますよ。ただ、歳の離れた小さな弟君がいるので、面倒見がいいんです」
顔をまっ赤にして怒っている会長が、あまりにも不憫に思えてきたので、訂正を入れた。
「そうなんですか。てっきり、女性じゃなく、女の子にしか興味がないのかと……」
あたしの言葉を聞いて、茅那ちゃんがそうもらす。
「「「「「「ブブッ!!」」」」」」
また病室内に、みんなの笑い声が響いた。
「おめぇら、退院したら覚えとけよ」
そんな一言が、会長の口から出るも、みんなの笑い声には勝てず、あたし以外誰も聞いてない。
ホント、ご愁傷さまだね、会長。
心の中で、憐れみの言葉を呟きつつ、手を合わせる。
みんなの笑い声は、その後もしばらく止まなかった……。