地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
襖で仕切られた部屋からは、何やらオジサンたちの会話が聞こえてきた。
「大丈夫だろうか。過労って噂だけど……」
そうやって、ひとりの男性が言うと。
「ぶっ倒れていたところを、発見されたんだろう? 病院に行ったらしいが……」
もうひとりの男性が、口を開く。
どうやら、誰かのことを心配した話のようだ。
さっさと置いて、戻ろうっと。
そう判断して、お客さんに声をかけてから襖を開けた。
けど―――。
中にいたのは、もうおなじみの……小田さんたち。
この前、陸の話をしてくれた部下の方も一緒。
「失礼します」
一礼をして、キンキンに冷えたビールをテーブルに置く。
「おぉ! 杏樹ちゃんじゃないか」
あたしに気付いた小田さんが、軽く手を上げた。
「こんばんは、いらっしゃいませ」
ニコッと笑って、接客をする。
知らないお客さんだと思っていたのに、小田さんたちだったとは。
じゃあ、さっきの会話……誰のことだろう?
頭の中では疑問だらけだったけど、この状況では聞けない。
だって、あたしが陸の彼女だということは皆さん知らないし、ましてや、ただの女子大生に会社の情報を漏らすことはできないよね。
グルグルと頭の中で考えて、今は接客に専念しようと思った時。
「杏樹ちゃんは、先週……お休みだったのかい?」
小田さんから問いかけられる。
「はい、ちょっと京都に行ってて……」
京都に行った目的までは、離せないけど、そんなに隠すことでもないから、普通に返した。
「大丈夫だろうか。過労って噂だけど……」
そうやって、ひとりの男性が言うと。
「ぶっ倒れていたところを、発見されたんだろう? 病院に行ったらしいが……」
もうひとりの男性が、口を開く。
どうやら、誰かのことを心配した話のようだ。
さっさと置いて、戻ろうっと。
そう判断して、お客さんに声をかけてから襖を開けた。
けど―――。
中にいたのは、もうおなじみの……小田さんたち。
この前、陸の話をしてくれた部下の方も一緒。
「失礼します」
一礼をして、キンキンに冷えたビールをテーブルに置く。
「おぉ! 杏樹ちゃんじゃないか」
あたしに気付いた小田さんが、軽く手を上げた。
「こんばんは、いらっしゃいませ」
ニコッと笑って、接客をする。
知らないお客さんだと思っていたのに、小田さんたちだったとは。
じゃあ、さっきの会話……誰のことだろう?
頭の中では疑問だらけだったけど、この状況では聞けない。
だって、あたしが陸の彼女だということは皆さん知らないし、ましてや、ただの女子大生に会社の情報を漏らすことはできないよね。
グルグルと頭の中で考えて、今は接客に専念しようと思った時。
「杏樹ちゃんは、先週……お休みだったのかい?」
小田さんから問いかけられる。
「はい、ちょっと京都に行ってて……」
京都に行った目的までは、離せないけど、そんなに隠すことでもないから、普通に返した。