地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
言った直後、クスッと小さく笑う。


……鈍感かぐや姫。

当てはまるのは、アイツしかいないよな。


「噂をすればってヤツか」

独り言のように言って、クルリと後ろを振り向いた。

俺らが座っている席の周りには、うじゃうじゃと女たちがいる。

それでも。

アイツ……杏を見つけることは一瞬で出来た。

なんせ……自分の女だからな。


しかし、杏はひとりでいたわけじゃなく……隣には朝比奈もいた。

ふたりで、カフェテリア内を見渡して空いている場所を探しているようだ。


「零たち呼んでいいだろ?」

「もちろん」

ちょうど……俺らの座ってるテーブルにはあとふたり分の席がある。


蓮の問い掛けに微笑んで賛成した。
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