地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
だってそこには……。


「ぜ、全部……あたし?」


あたしの写真がたくさん入っていたから。


どれも、目線はあっていなくて、隠し撮りされたものばかり。

あたしの背後には、街中や、大学近く……自宅の前まであり……。


入っていた写真は、100枚を軽く超えていた。


パラパラとすべてを見て、ぞっとする。


時間帯も、朝のモノや夕方のモノ、夜景をバックに撮られたものまであって……四六時中見られていたのかと思った。



なんで?

いつの間に……?



部屋中に、あたしの写真が散らばる。


その中には、陸と写っている写真もあって……。


それらにはすべて……陸のところにだけ、赤いペンで×が書かれていた。


む、ムカつく……。


あたしの大事な閻魔大王に、なんてことしてくれんのよ!


この野郎……あたしにケンカ売ってんのよね。

陸のこと、ここまでされて許せない。



「こんなヤツ、大っ嫌い! 陸と比べるほどでもないや。僕の愛ですと? 重いし、引くし、キモいわ」


口に出して、散々文句を連ねた。


ちょっと……ストレス発散かも。


呪詛のことも重なってて……イライラが溜まってる。





「うん、やっぱ……外に行こう」


藁人形探しに出よう。


ここにいたら、気分がイライラのみになっちゃう。

今の時刻は、午後11時過ぎ。

写真などを片づけて、自室を出た。


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