地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
その日の夕方。

大学が終わって、家に着くと……やっぱり届いている。

あのストーカーからの贈り物。

家に家族はいなくて、あたしひとりだった。

届いた箱を持って、自室に上がる。

バックなどを床に置いて、箱を開けた。



中に入っていたのは……シンプルなリボンがついたペタンコ靴。

それは、自分の横に置いて、もうひとつ中に入っている封筒を取り出す。


だけど、今日は……ちょっと封筒が大きかった。

普通の手紙とかのサイズじゃなくて、B5サイズの封筒。


「なにこれ?」


――ゴソゴソ……

封筒の中から、いつものラブレターを取りだし、内容に目を通す。



しかし。

封筒が違ったからか、ラブレターの内容も、少しだけちがっていた。






―――――――――――――――
杏樹。


俺は、君には滝本は似合わないと思っているんだよ。

ヤツより、俺の方が君にふさわしい。



その証拠に、これを送るよ。

この写真を……滝本に見せるんだ。



ヤツの話を聞いても、君はヤツを愛せるというかな?




早く、俺のところにおいで。



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「呼び捨てになってるし、この人」


昨日までは、『杏樹様』だったのが、今日は『杏樹』となっている。

というか、陸に写真を見せろって?
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