地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
そう言った陸の声は、今にも消えそうなくらい小さくて。
体は震えていた。
「陸?」
あたしの肩口から動かないヤツの背中を撫でた。
「俺の……昔の話……聞くか?」
途切れ途切れに話す言葉は、陸の過去の話の重さが見えるようで。
でも、今まで一度も聞いたことのなかった……陸の話。
どんな内容なのか、気になった。
「あたしが聞いてもいいの?」
「……いつかはお前に話そうって思ってた。けど、この話をして、杏が離れて行かないか……怖い」
――ギュッ
まるで、『離れていくな』と言わんばかりに、強く抱きしめられる。
その抱き寄せる手も震えていて……本当に怖がっているんだとわかった。
「大丈夫だよ。話して……?」
応えるように、あたしも抱きしめ返して、そう伝えた。
「俺の……中1の頃から始まったことだ」
ゆっくりと、きつく結んでいた紐をほどくように、陸は話し始める。
それは、思ってもみない内容だった―――……。
体は震えていた。
「陸?」
あたしの肩口から動かないヤツの背中を撫でた。
「俺の……昔の話……聞くか?」
途切れ途切れに話す言葉は、陸の過去の話の重さが見えるようで。
でも、今まで一度も聞いたことのなかった……陸の話。
どんな内容なのか、気になった。
「あたしが聞いてもいいの?」
「……いつかはお前に話そうって思ってた。けど、この話をして、杏が離れて行かないか……怖い」
――ギュッ
まるで、『離れていくな』と言わんばかりに、強く抱きしめられる。
その抱き寄せる手も震えていて……本当に怖がっているんだとわかった。
「大丈夫だよ。話して……?」
応えるように、あたしも抱きしめ返して、そう伝えた。
「俺の……中1の頃から始まったことだ」
ゆっくりと、きつく結んでいた紐をほどくように、陸は話し始める。
それは、思ってもみない内容だった―――……。