地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
†過去の記憶
――陸side――
堕落した生活が始まったのは、いつからだったか。
たぶん、中学に入った頃だったと思う。
始まりは……友達の彼女だった。
中学に入ると、男女ともに思春期を迎える。
俺のまわりは、カップルになるヤツも多くて、クラスにも何組かいた。
その中の、ひと組カップル。
男は性格も良く、モテるヤツで、女も学年でかわいいと評判のヤツだった。
簡単に言えば、お似合いの美男美女カップル。
もう名前は忘れたが、俺から見たら仲のいいヤツらだった。
俺も、その頃は女たちから告られることが多く。
しかし、彼女を作る気はまったくなかったため、すべて断っていた。
親父の仕事に興味を持ち始めていて、経済について学んでいた方が楽しかった。
学校でも、悠はいたし。
友達も多かったので、ヤツらと遊ぶ方が優先だったんだ。
だが―――。
その生活が壊れる日が来た。
中1の夏。
たしか悠と出かけた先で、そのカップルに会った。
「おっ! 陸じゃん!」
男の方から声をかけてきて、彼女が後ろからついてくる。
「デートか?」
悠が男を茶化すと、女が顔を赤く染めた。
俺は……本当に好き同士のカップルなんだと、この時は思っていた。
でも。
そいつらが、俺たちと別れようとした時。
――カサッ
女がさっと俺に近づいてきて……手に何かを握らせる。
堕落した生活が始まったのは、いつからだったか。
たぶん、中学に入った頃だったと思う。
始まりは……友達の彼女だった。
中学に入ると、男女ともに思春期を迎える。
俺のまわりは、カップルになるヤツも多くて、クラスにも何組かいた。
その中の、ひと組カップル。
男は性格も良く、モテるヤツで、女も学年でかわいいと評判のヤツだった。
簡単に言えば、お似合いの美男美女カップル。
もう名前は忘れたが、俺から見たら仲のいいヤツらだった。
俺も、その頃は女たちから告られることが多く。
しかし、彼女を作る気はまったくなかったため、すべて断っていた。
親父の仕事に興味を持ち始めていて、経済について学んでいた方が楽しかった。
学校でも、悠はいたし。
友達も多かったので、ヤツらと遊ぶ方が優先だったんだ。
だが―――。
その生活が壊れる日が来た。
中1の夏。
たしか悠と出かけた先で、そのカップルに会った。
「おっ! 陸じゃん!」
男の方から声をかけてきて、彼女が後ろからついてくる。
「デートか?」
悠が男を茶化すと、女が顔を赤く染めた。
俺は……本当に好き同士のカップルなんだと、この時は思っていた。
でも。
そいつらが、俺たちと別れようとした時。
――カサッ
女がさっと俺に近づいてきて……手に何かを握らせる。