地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
その日から、俺はコクられる度に聞くようになった。
『なあ、どこが好きなわけ?』と。
その質問の答えは、いつも同じだった。
『かっこいいところ』、『普通の男子とは違うところ』で。
そして、よく言われるのがこれで。
『お家が立派だから陸くんも立派なんでしょ?』
その言葉を聞く度に、女を信じられなくなっていく。
外見しか見ない。
家のことがついて回る。
体だけを求められることも多かった。
その理由は、『彼氏じゃ、満足しないから』や『ただ俺とシてみたいから』などの、そんなもの。
それが、堕落へ俺を引き寄せた一歩だった。
ある週末、ひとりで街にいたら。
「ねえひとり?」
年上の女に声をかけられた。
「は?」
怪訝な顔でそいつを見る。
派手な服装に、濃い化粧の女。
逆ナンか?
「かっこいいね、あたしと遊ばない?」
ニッコリと笑う女は、妖艶。
“かっこいい”と、またしても容姿に対してのほめ言葉。
それが、崩壊のスイッチだったと、今考えれば思う。
『なあ、どこが好きなわけ?』と。
その質問の答えは、いつも同じだった。
『かっこいいところ』、『普通の男子とは違うところ』で。
そして、よく言われるのがこれで。
『お家が立派だから陸くんも立派なんでしょ?』
その言葉を聞く度に、女を信じられなくなっていく。
外見しか見ない。
家のことがついて回る。
体だけを求められることも多かった。
その理由は、『彼氏じゃ、満足しないから』や『ただ俺とシてみたいから』などの、そんなもの。
それが、堕落へ俺を引き寄せた一歩だった。
ある週末、ひとりで街にいたら。
「ねえひとり?」
年上の女に声をかけられた。
「は?」
怪訝な顔でそいつを見る。
派手な服装に、濃い化粧の女。
逆ナンか?
「かっこいいね、あたしと遊ばない?」
ニッコリと笑う女は、妖艶。
“かっこいい”と、またしても容姿に対してのほめ言葉。
それが、崩壊のスイッチだったと、今考えれば思う。