地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
数秒後―――。


「いいよ」


俺の口はそう答えていた。




その日が始まり。

堕落した生活の……始まりだった。




声をかけてくる女すべてに、手を出した。

タメから、高校生、大学生、社会人までも。

その中には、彼氏持ちのヤツもいたが……。

彼氏に対して、罪悪感はなかった。


逆に、滑稽だったんだ。


こんな簡単に他の男に股開く女が、好きで付き合っているなんて。


女の本性を知らない男たちが笑えた。




俺が中学2年の頃。

遊びがピークだった。

朝帰りは当たり前。

毎晩ちがう女で、ヤリ捨てが多かったし。


割り切れる関係を保てる女だけ、電話帳の登録をしていた。

それでも、かなりの人数がいたと思う。



勉強は、教科書を読めば理解できてたし、中学の勉強なんてラクなもんだった。




両親は、俺の遊びに何も口は出さなくて。


いいことも悪いことも経験させようという考えからだったようだ。

親父たちはホントに仲のいい夫婦。


だけど、俺には好きな女も、大切にしたいヤツもいない。


“『お前が全社員の生活を守るなら、好きな人と結婚しろ』”


親父が俺に言った言葉。


そんなことなんてありえない。


女なんて、全員同じ。


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