地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
「杏樹ちゃんがお世話してくれたら、すぐに治るかも?」
「え?」
「ダメかな?」
彼はニコッと微笑んで、顔を横に傾げる。
おいおいおい……。
この人、いっつも……爆弾発言するよね。
「えっと……ムリかな」
頬をポリポリと書きながら返した。
あなたの世話どころじゃないんですよ。
会長たちのこともまだ未解決だし、呪詛のこともある。
んで、忘れそうになるけど……ストーカーの件もまだあるんだ。
何もなくても、この閻魔大王の世話だけで、あたしは手いっぱいですから。
チラッと橘くんの反応を見ると。
「そっか~仕方ないよね~」
断ったのに、特に気にする様子もなく。
ケラケラと笑って……ご飯を食べていた。
そして、今度はあたしの隣で機嫌の悪い陸に話しかける。
「滝本くんは、最近どう? 体の調子はいいの?」
「へ?」
その言葉に反応したのは、あたしで。
なんだか……陸の今の状態を知っているような質問の仕方だと思った。
「橘くん? どうして陸の体調のことを気にするの?」
オムライスを食べる手を止めて、そう聞いてみる。
だけど、彼から帰ってきた答えは……。
「え? どうしてって、前に体調悪くして杏樹ちゃんと帰っていたじゃないか。あの時は風邪だったんだろう?」
キョトンとした表情で、サラッと言葉が詰まることなく話した。