地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
それを横目で見つつ。


「それで、看護師さんがどうしてこんなことをするのかと、おろちに聞いたら『医者に俺の状態を知らせるためだ』って」


繭ちゃんの説明を聞いた。


「へえ……」

「でね、こういうのをして遊びたいって言ったら、『じゃあお医者さんごっこだな』って言って、やってくれたの!」


キラキラとした目でいる繭ちゃん。


自分のお腹をポンポンと叩いて、会長とやったことを再現して見せる。

そんなにたくさん遊んでたんだ。

会長……これでは、茅那ちゃんじゃなくても、ロリコンだと思ってしまいますよ。


「ねぇ、陸?」


そのことを聞きたくて、隣にいるヤツを見た瞬間。


「杏ちゃん、俺たちもお医者さんごっこしようか?」


ニッコリ笑って、あたしの腕を掴んだ。


へ? 何するの?

わけがわからなくて、ジッと見つめると。


「繭、ちょっと杏と先にお医者さんごっこするから……お外で遊べるかな?」


ニッコリと笑顔で繭ちゃんに言う。


「え~じゃあ、あとでだよ?」


少しプーッと頬を膨らませるも、彼女はタタタッと部屋を出て行った。




「ちょっと、お医者さんごっこくらい3人で遊べるで……」



――グイッ



出て行った彼女の後姿を見ながら言おうとしたけど、ヤツに手を引かれて最後まで言えない。


そのまま……。


――ボスッ


ベッドに押し倒される。


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