地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
1時間後―――。


「本当にどこに行ったんだ?」


家族が全員リビングに集合していた。



仕事で会社にいた渉も、退社して。


依頼で出かけていたお義父さんも、仕事を済ませて帰って来た。


家族であちこちに電話をして、杏樹の居場所を探す。




でも……見つからない。


どこにもいないし、誰も見ていなかった。








その時。



――ガチャン!




「失礼します!」




――バタバタバタッ


玄関から、誰かの声と複数の足音が聞こえる。


誰か……来た?


この家は、陰陽師のいる家。

悪しきものは、誰ひとり……一匹さえも入れない。

入れるとすれば……。



その人物を考えた瞬間。


――バタンッ


「陸くん……!?」



杏樹の彼氏である陸くんをはじめ、柚莉ちゃん、零ちゃんなど……。

リビングの入り口に、娘の友人たちが集合していた。

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