地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
チラッと横目で、朝比奈たちを見る。


「え……?」


あの、強気な朝比奈が。


杏樹さえも怖がる蓮をおちょくれる安斎まで。


体がカチンコチンに固まっていた……。



表情が硬い。





「お前らどうしたんだよ?」


彼らの顔を見ながら聞いてみる。



さっきまで杏を心配した表情だったって言うのに。



「だって……杏樹のおじい様だけれど……あの神崎ホールティングスの会長が目の前にいらっしゃるのよ!?」


ヒソヒソと朝比奈が俺に向かって言った。



「滅多に、華やかな場所には出てこられなくて……お目にかかれないのに。緊張しちゃうのよ!」


ギュッと自分の両手を握りながら答える。



ふたりとも、じいちゃんとは面識がなかったようだ。


俺はもう何度もあるけど……。



蓮たちは、病院で何度か会っているので、それほど緊張はしていない。


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