地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
問いかけられたじいちゃんは、チラッと俺を見る。

なんでだ?


だけど、見ていたのは一瞬で。



「話せば……杏樹に怒られそうじゃが、まぁいいじゃろう」



そう呟いたじいちゃんは、俺たちに守護の呪の作り方を教えてくれた。



聞いたことをまとめると。



まず、京都版神崎家の敷地内にある、霊力の宿った池に、守護の呪をかけたいモノを鎮める。


そして、術者は体を清め、穢れのない状態で……祈祷を行うらしい。



それは、3日3晩。

飲まず食わずで、寝ることもなく。


術者の持つ霊力のギリギリまで酷使するのだそう。




簡単に言っているが、その儀式は並大抵の術者ではできないらしい。


杏でも、2日寝込んだと聞いた。


また……意識失って寝てたのかよ。


アイツ、少しもそんなことを言わなかった。




「そんなに苦労して……杏樹はつくってくれたんだ」


松沢が指にはめているリングを撫でながら言う。



全員が、杏にもらった呪を見つめた。


アイツには、感謝しきれない。



自分の身を削っても、誰かを護ろうとするその気持ちは、誰よりも大きい。



それを彼女に言ったら『大事な人にしかしないよ?』とも言われそうだが……。



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