地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
≪あーイライラする。これもすべて閻魔大王のせいだから!≫
「杏樹?」
≪……ったくこの役立たず! アンタには、送って行くくらい役不足でしょ!? えぇ!?≫
「……」
≪閻魔大王! ぬらりひょん! 大悪魔!! この3大妖怪めっ!≫
おい、いい加減にしろよ。
俺、ぶちギレるぞ。
「おいっ……杏樹」
なんでこんなに文句を言われなければならない?
こっちは、みんなで心配して、寝ないでいたというのに、この仕打ち。
堪忍袋の緒が切れる寸前だったと思う。
次に暴言吐かれたら……ケータイ切るわ。
と、思っていたその時。
≪棚うちと木庭素に。……陸助けて?≫
「は?」
≪陸、3大妖怪でしょ?≫
一瞬で。
杏の口調がいつものに戻った。
意味がわからない。
さっきまでのわけわかんねぇ杏はどこ行った?
≪ヤダッ! 陸、助けてっ……いやあぁぁぁあああ!≫
――ブチッ……ツゥーッ……ツゥーッ
ストーカー野郎から、通話が切られる。