地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
そんな時。


「杏」


陸が話しかけてきた。



ん? なあに?

首を傾げて、ヤツの顔を見る。


「あの時の……電話での言葉、お前が考えたのか?」


陸は、橘に誘拐された時の、あの唯一会った電話でのことを持ち出してきた。。



うん。あれは、あたしが考えましたよ?


コクンと大きく頷いて見せる。


「へぇ……良く考えたな?」


ヤツは、偉い偉いとでも褒めるようにあたしの頭を撫でる。


ちょっと質問したかったあたしは、ボートに書いた。


「何分で解いた?って?」


ボードの文字を読む陸に、うなずく。


あたしの暗号、どのくらいで問いたの?


ジーットやつを見つけて、答えを待っていると。


「5分はかかってない」


素晴らしいものをいただきました!




すっご! さすが陸!!


――パチパチ!!


思わず、拍手を送った。



あたしが電話で言った言葉。


あれは……犯人の名前と、居場所を教えていたんだ。


まず、陸のことを罵倒して、『陸ならこれくらい、役不足でしょ!?』と言った。

あれは、『陸なら解ける問題だから』って意味。

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