地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
大学に来るときも、あんまり化粧はしないし……髪もたまにしか巻かない。

今日……どうしたんだ?


不思議なのと、いつもよりカワイイ姿に見とれる。


「陸くぅ〜ん? 誰見てるのぉ〜?」

「……いや……別に」


甘ったるい声に、意識を引き戻された。

……せっかく癒しの時間だったのに、邪魔すんなよ。

多少カチンと来たが、顔には出さずに笑顔を向ける。

それだけで、顔を真っ赤に染めてキャーキャー騒ぐ女たち。


……うるさい。


カッコイイだの、王子様みたいだの……言いたい放題だ。


お前らじゃなくて……杏ちゃんに1回くらい言われたい。

アイツの口から、そんな言葉を聞いたことないからな。



チラチラと杏を見ながら、いつものように女たちに囲まれて席に着いた。
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