隻眼金魚~きみがくれた祈りのキス~
その時、ドルゥン!! と闇夜に大音量が響く。ビックリして振り向くと、ハーレーが走っていく。病院へ入るらしい。病院にその大音量でハーレーって。なんなの。
……あれ? あれはもしかして。
「タケさん!!」
とっぷりと夜中なのに、ドルンドルンと大音量のハーレーで病院に横付けするタケさん。静かにして……タケさんマジでうるさいっす……怒られるよ。あたしはビクビクしていた。公園を出て、横断歩道は赤信号だけど車が来ないから斜め横断して、バイクへ向かって全力疾走。
「しーちゃん、何してんだよ外で」
息が切れた。何してんだよと言われても、蓮の家族と一緒は辛いとか言えないので、ゴニョゴニョしていると、タケさんは、ゴーグルの付いたビンテージタイプのヘルメットをバイクのCMみたいに脱ぎながら言った。
「蓮、蓮の容態は?」
会社には連絡したって蓮のお母さんが言ってた。その同僚から、蓮の友達、そこからタケさん連絡網で情報が入ったのだと言う。少し早口で説明してくれた。
「うん、まだ眠ったまま。手術は終わってます」
「そう、か」
予断を許さない状態で、手術後に集中治療室に入れられていると言うと、また「そうか」と眉間に皺を寄せて苦しそうな顔をする。タケさんも心配しているんだ。
「こんな時間に何にも考えないで来ちゃったけど、ご家族とかしか居ないだろ? 集中治療室ならなおさら。明日の昼間にでも出直すよ」
慌てて来ちまったからな、とヘルメットをかぶり直そうとした。タケさんが帰るなら……。
「え、じゃああたしも帰ろうかな」
「しーちゃんは居なよ」
なんで帰るの? とでも言いたげなタケさん。困った、なんて言えばいいんだろう。しーちゃんは居なよって言ったって……。
……あれ? あれはもしかして。
「タケさん!!」
とっぷりと夜中なのに、ドルンドルンと大音量のハーレーで病院に横付けするタケさん。静かにして……タケさんマジでうるさいっす……怒られるよ。あたしはビクビクしていた。公園を出て、横断歩道は赤信号だけど車が来ないから斜め横断して、バイクへ向かって全力疾走。
「しーちゃん、何してんだよ外で」
息が切れた。何してんだよと言われても、蓮の家族と一緒は辛いとか言えないので、ゴニョゴニョしていると、タケさんは、ゴーグルの付いたビンテージタイプのヘルメットをバイクのCMみたいに脱ぎながら言った。
「蓮、蓮の容態は?」
会社には連絡したって蓮のお母さんが言ってた。その同僚から、蓮の友達、そこからタケさん連絡網で情報が入ったのだと言う。少し早口で説明してくれた。
「うん、まだ眠ったまま。手術は終わってます」
「そう、か」
予断を許さない状態で、手術後に集中治療室に入れられていると言うと、また「そうか」と眉間に皺を寄せて苦しそうな顔をする。タケさんも心配しているんだ。
「こんな時間に何にも考えないで来ちゃったけど、ご家族とかしか居ないだろ? 集中治療室ならなおさら。明日の昼間にでも出直すよ」
慌てて来ちまったからな、とヘルメットをかぶり直そうとした。タケさんが帰るなら……。
「え、じゃああたしも帰ろうかな」
「しーちゃんは居なよ」
なんで帰るの? とでも言いたげなタケさん。困った、なんて言えばいいんだろう。しーちゃんは居なよって言ったって……。