隻眼金魚~きみがくれた祈りのキス~
「蓮くんのこと、好きなんだね詩絵里」
「……」
ヨウコちゃんに、自分の中に渦巻く想いを、蓮に対しての想いを言ったことは無かった。でもきっとバレてるとは思っていた。
「俺が、居なくなったらどうするんだって……そう言われたの」
ヨウコちゃんは黙って聞いていた。
「蓮は、解放されたがってる。それは……分かるんだ」
「そっか」
あたしが、幸せそうに笑ってサヨナラをすれば、蓮もきっと。「俺が居なくてももう、大丈夫だな」って言うかな。ホッとしてにっこり笑ったりするのかな。じゃあな、ってあの感じで言うよね、きっと。
想像するだけで、胸が痛くてたまらない。
あたしを撫でた手で、誰か別の子を抱きしめるのかな、お祈りのキスはあたしにじゃなくてもするの?
蓮を放つキーはあたしが持ってる。
それは、分かりすぎるほど。分かってる。
***
**
「……」
ヨウコちゃんに、自分の中に渦巻く想いを、蓮に対しての想いを言ったことは無かった。でもきっとバレてるとは思っていた。
「俺が、居なくなったらどうするんだって……そう言われたの」
ヨウコちゃんは黙って聞いていた。
「蓮は、解放されたがってる。それは……分かるんだ」
「そっか」
あたしが、幸せそうに笑ってサヨナラをすれば、蓮もきっと。「俺が居なくてももう、大丈夫だな」って言うかな。ホッとしてにっこり笑ったりするのかな。じゃあな、ってあの感じで言うよね、きっと。
想像するだけで、胸が痛くてたまらない。
あたしを撫でた手で、誰か別の子を抱きしめるのかな、お祈りのキスはあたしにじゃなくてもするの?
蓮を放つキーはあたしが持ってる。
それは、分かりすぎるほど。分かってる。
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