隻眼金魚~きみがくれた祈りのキス~
数日後、バイトが早く終わってアパートに帰ってきた。でも、ちょっと外出したい気分だったから、夕方、買い物がてら外に出て、そして帰りに「BーRose」に寄った。入り口の重くて苛つく(タケさんごめんね)ドアを開けて入ると、数人の客。あたしを見つけてタケさんが手を挙げた。
「おー。あとから蓮が来るのか?」
「来ませんよー。今日はあたし1人で来たい気分で」
「珍しいなぁ。しーちゃんが1人で来るなんて。ゆっくりしてって」
サービスねって言って、イチゴが3個入った小鉢をくれた。美味しそう。真っ赤で可愛かった。
「なににする?」
カウンターの端っこに座って、頬杖をつくあたしに、タケさんは聞いてきた。相変わらずゴリゴリとロックがかかっている。
「モスコミュールで。あとチーズ食べたいなぁ」
「あんまり強くしないほうが良いよね、モスコ」
「はい」
グラスを取り出して、目の前で作ってくれる。1人で来たこと無いし、タケさんとこうして話すこともあんまり無い。蓮が必ず居るから。
カクテルを作り終わるまで、あたしは待った。シュワっという音と共に、目の前に差し出された薄い色のアルコール。ほっそりとしたグラスに入っている。コースターはドクロ。ドクロなんだよな……これはちょっとセンスが微妙。誰が考えたんだろう?
「あ、この間すみませんでした」
「なに?」
「ほらこの間、あたし怒鳴って帰っちゃって。子供みたい」
あーあれ、みたいな顔でタケさんは思い出した様子だった。
「おー。あとから蓮が来るのか?」
「来ませんよー。今日はあたし1人で来たい気分で」
「珍しいなぁ。しーちゃんが1人で来るなんて。ゆっくりしてって」
サービスねって言って、イチゴが3個入った小鉢をくれた。美味しそう。真っ赤で可愛かった。
「なににする?」
カウンターの端っこに座って、頬杖をつくあたしに、タケさんは聞いてきた。相変わらずゴリゴリとロックがかかっている。
「モスコミュールで。あとチーズ食べたいなぁ」
「あんまり強くしないほうが良いよね、モスコ」
「はい」
グラスを取り出して、目の前で作ってくれる。1人で来たこと無いし、タケさんとこうして話すこともあんまり無い。蓮が必ず居るから。
カクテルを作り終わるまで、あたしは待った。シュワっという音と共に、目の前に差し出された薄い色のアルコール。ほっそりとしたグラスに入っている。コースターはドクロ。ドクロなんだよな……これはちょっとセンスが微妙。誰が考えたんだろう?
「あ、この間すみませんでした」
「なに?」
「ほらこの間、あたし怒鳴って帰っちゃって。子供みたい」
あーあれ、みたいな顔でタケさんは思い出した様子だった。