TITOSE
刀を、力いっぱい握る。

その力で、刀はカタカタと揺れる。

「殺す、というわけか。それにしてもあの女、気が強かったなぁ。この俺に、最後まで抵抗しおった。あの汚い手でな…」

五郎丸の言葉に、千歳は物凄い鬼のような剣幕で睨みつけた。

「くそ!くそぉっ!!うわあああ!畜生!殺してやる!苦しめ…苦しめぇっ!!」

涙を両目から、絶え間なく流しながら、目にもとまらぬ速さで刀を振った。

鋭い刀の音と、勢いよく血が噴き出す音が響く。

「お前は…お前はっ!!絶対に許さぬ!汚いだと?共に逝かせてやろうだと?ふざけたことをほざきやがって!!」

五郎丸が、右足が取れた痛みに転げ回っている。

そして、千歳は更に五郎丸の両手を刺した。
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