TITOSE
弐
百合子は、赤い櫛を見つめてそれから歩き出した。
「…おばあちゃん」
そう呟いてから、百合子は着物の袖をなびかせて走った。
着いたのは、海。
「おばあちゃんは、この広い海を渡って来たんだね」
そう呟いた時だった。
向こうに、誰かが打ち上げられて倒れていた。
「あっ!!ちょ、大丈夫ですかっ」
その人は、長めの髪を後ろで束ねた男の人。
(うわぁ、まるで千歳さんみたい)
百合子はそんなことを思ったが、こうはしておれず男を背負って帰った。
「百合子っ!?」
老母は驚いてその様子を見た。
「あのね、この人…陸に打ち上げられてたの。お腹空いてるみたい」
そう言うと、老母は急いでご飯を作り始めた。
「…おばあちゃん」
そう呟いてから、百合子は着物の袖をなびかせて走った。
着いたのは、海。
「おばあちゃんは、この広い海を渡って来たんだね」
そう呟いた時だった。
向こうに、誰かが打ち上げられて倒れていた。
「あっ!!ちょ、大丈夫ですかっ」
その人は、長めの髪を後ろで束ねた男の人。
(うわぁ、まるで千歳さんみたい)
百合子はそんなことを思ったが、こうはしておれず男を背負って帰った。
「百合子っ!?」
老母は驚いてその様子を見た。
「あのね、この人…陸に打ち上げられてたの。お腹空いてるみたい」
そう言うと、老母は急いでご飯を作り始めた。