TITOSE
だから…。

「美代さん。さよなら、だね」


ーーーーーーーーーーー

翌日。

百合子と千歳は買い物に出かけた。

「えっとね、野菜は中さんの所が一番安いの」

「へぇ。で、中さんって誰?」

二人で買い物の紙を見ながら歩いていく。

その様子を見ながら、平吉はニコッと笑った。

「お幸せに。応援してるよ」

平吉にとって、百合子は別にどうでもよかった。

ただ、そこそこ可愛らしい顔をしていたから。

だが、そんな平吉の誇りを壊した美代が許せなかった。

ただ、それだけ。

「百合子の口から直接言ってくれたら、こんなことにはならなかったのにね」

平吉は、ニヤリと笑って二人の背中を見送った。
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