TITOSE
少ししてから、千歳が美代を抱えて出てきた。

だが、その瞳は怒りに満ちている。

意識のない美代を下に下ろしてから、みんなを睨みつけた。

「誰だ、火をつけたのは」

誰も名乗り出ない。

千歳の瞳は、さらに怒りを満ち始めた。

「誰だと聞いている!」

その剣幕は鬼のようだった。

すると、平吉が前に出た。

「俺」

すると、百合子が立ち上がった。

そして、平吉の頬に平手打ちをくらわせた。

「何でそんなことするの!」

すると、平吉はニコッと笑った。

「俺の誇りを壊した」

その言葉に、千歳が平吉を殴った。
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