TITOSE
「俺の体力が回復したら、島を案内してくれ」

千歳はそう言うと、向こうにいる少年に目を止めた。

「…あの子は?」

すると、夏が心配そうな顔をする。

「病気なんよ。感染はせんのやけど…」

すると、千歳は夏の背中をさすった。

「…弟か?お前は頑張っているんだな、夏」

夏は頬を赤らめる。

そして、ついに俯いた。

「…きっと治る。お前がこんなに頑張っているんだ」

頭を撫でて、千歳はその手を止めた。

「少し眠い…」

それだけ言うと、あっと言う間に眠りについてしまった。

「千歳…」

それから夏は、千歳に恋心を抱き始めた。
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