皇塔学園☆帰宅部
千砂さんは続ける。
「今期1年生のベスト3は女子だ。それよかまず男子入学者がほとんどいない」
…男ならこの楽園を目指して努力しそうなんだけどな。
「で、今期1年生入試1位は希熙みかんだ」
「私の妹よ?」
少しばかり誇らしげだ。
姉妹揃って秀才は…そりゃ誇るに足る名声だよ!!!!!!!!!
「で、れもん。みかんは帰宅部に入りそうか?」
「うーん…多分来ると思うよ。今日家で聞いてみるね」
「頼んだ。2位3位についてはすでに他の部活に所属する意を伝えたみたいだから無視してくれ」
うん。
何も知らないなら帰宅部になんて入ろうとも思わないよな…
怪しい的な意味で。
「そして今日は暇つぶしの駄弁りでは終わらない。まだ4月……というわけで…」
最初のミッションとやらは学園祭じゃないのか?
それまではとにかく暇つぶしかと思ってた…
「今週は温泉旅行に行こうと思う。冬にも行くが今期の気合いのために」
え?
いきなり?
んなっ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「千砂さん…バイトが……」
「休め。命令だ」
「はいっ!」
…一瞬で切られた。
とりあえずバイトは休むか。
「場所は私が確保してある。日程は金曜放課後から。帰宅日は月曜朝だ。つまり制服と授業道具も持参だな」
「めちゃくちゃじゃないですか!!!!!!!せめて日曜帰宅に……」
「しない」
「はいっ!!」
というわけでいきなり温泉旅行が決まりました。
「もう明日が金曜で出発だ。各自今日は早めに帰宅して準備にあたってくれ」
そんな恐ろしい展開の速さの中、帰宅部は解散した。
そのあと、バイトを休む交渉に1時間かかったことは秘密です。