皇塔学園☆帰宅部
『………』
みんな無言。
ひたすら歩みを進める。
とにかく宿を目指して歩き続ける。
「みかん、限界です…」
「はい?」
おれが反応した瞬間、みかんちゃんは地面に座り込んだ。
……まじかよ。
で、結局休むのかなぁ?
「千砂さん?少し休みますか?」
ミィちゃんが尋ねた。
くうちゃんもれもんさんも賛成のようだ。
……千砂さんは…
「ダメだ。もっと疲れるぞ?遊、おんぶしてやれ。みかんの荷物は私が持つ」
「え?え?え?」
みかんちゃんをおんぶできるのは幸せの極み…のはずだけど、今は状況が違う。
千砂さんの手にみかんちゃんの荷物がいっても…おれにも大量の荷物が。
「じゃあ、行くぞ」
千砂さんは再び歩く。
ミィちゃんとくうちゃんには「頑張って!」と言われ、れもんさんには「よろしくねっ」と言われ…
自分達には何も負荷がかからないから…他人事みたいに…
れもんさんはみかんちゃんの姉ですよ?
もはや責任感0?
でも…一応男はおれ1人。
決心せねばならない。
「みかんちゃん?おんぶしてあげるから背中に乗って」
「あうー…はぃい」
やっぱり男におんぶされるのはどうなのか。
多少頬が紅いみかんちゃん。
しかし…疲れきっているおれにあれこれ考える暇はない。
ミッションは【みかんちゃんを無事に宿までおんぶ】だ。