サクラ
私は溜息をつきながら家へ帰った。
「おかえりなさい、美沙。」
「ただいまかえりました、お母様。」
「お父様は今日は帰ってこられないらしいわ。」
「わかりました。」
私の家はとにかく成績に厳しい。
でも、私の兄は成績も悪く不良だった。
お父様は安藤家の恥だと兄に生活費とマンション、仕事をやるからと追い出した。
私は兄と連絡を取ることも許されない。
だから5年くらい兄を見てもいないし声も聞いていない。