バケバケ
……人?
…のように見えた。
それは雨に打たれ、黒い衣服に身を包み…
別に全身黒い服でもおかしい状況ではない。
でも…ただただ怖かった。
それはふっと揺れ、消えてしまった。
何だったんだ今のは。
疲れた。
戻ろう。
私は後ろを振り返り、戸を開けようとした。
なんだったんだろう、今のは。
「似ている。」
「?!」
後ろから声がした。
ゆっくり振り返る。
黒服の…女の人…?
いつの間に後ろに…
「ん…?お前私の姿が見えるのか??」
女の人が私の顔を覗き込んだ。
姿…?
どういうこと?
「そうか。お前は昭仁の娘か?」