バケバケ
俺の目の前で倒れるエレジー。
「おい、エレジー!」
俺はエレジーの体を受け止め揺すった。
「しっかりしろ!!」
「ハイネ…」
よかった。
意識はある。
「ここは危険よぅ。トキにこの場所が気づかれたわ。トキは洋子の秘密に気づいたの…」
「どういうことだ…?」
「さっき…変な気配がしたから表にでたのよ。…そしたら…」
エレジーの話では、外に出たあと、すぐにトキと遭遇したらしい。
トキはバケバコを完成させた時の疲労や、エレジーの抵抗もあり、店には入って来れなかった。
どうやらトキは中に洋子とシイがいるのには気付いてないらしく、目的は俺のようだ。
「ハイネを出せって…そう言ってたわ…血縁者の条件について話があるって…」
「血縁者の…やっぱり気づかれたか。」
「おい、さっきから何の話だ?血縁者とか洋子とか…」
洋子の危険を察知したらしいシイが、俺の肩を強く掴んだ。