バケバケ




俺はエレジーを抱き抱え、シイとともに部屋を出た。


2階の寝室まで階段を上がり、部屋のドアをシイに開けてもらった。


「サンキュ、シイ。」


「ん。」


ベッドにエレジーを寝かせる。


エレジーは眠ってしまったようだ。



さてと…


「シイ。お前なんで洋子に何も言ってないんだ。」


「何の話だよ。」


「自分が何のバケバケかも、何の能力かも教えてないじゃないか。」


「それは…」


「契約のことも、黒い炎のことも。これから洋子と協力してくなら…」


「わかってるよ!」


シイが声を荒らげる。


「わかってる…けど。今は言えない。」


「なんで?」


「きっと洋子を傷つける。洋子は裏切られた気持ちになる。そしたら俺…」


「なんで洋子のそばにいる必要があるんだ?」


俺はいろんなバケバケたちの話を聞いて、シイについての情報を集めた。


ただシイというバケバケは謎が多かった。


俺が知ってるのは、シイがある契約をし、自分の能力を強化していること。


シイの能力、何のバケバケであるのか。


それともう1つ…



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