バケバケ
「お前、明仁って人の心から生まれたバケバケなんだろ?」
「……灰音の情報網はおそろしいな。」
「まぁね。んで…そこで疑問。」
「なんだよ。」
「お前明仁さんの心から生まれたはずなのにほとんどそばに居なかったみたいじゃないか。」
「……」
他のバケバケたちが言っていた。
シイは変わったやつだ。
明仁という人間を尊敬し、慕っているにも関わらず、いつも他の人間の近くにいる。
「バケバケたちは、お前が人間の小さな女の子のそばにいるって言ってた。…それって洋子のことだろ?」
「……そうだよ。」
「なんで?バケバケってそういうものなのか?」
少なくとも、俺が今までに会ってきたバケバケは違った。
みんな心をもらった人間の近くにいた。
まぁその人間に恨みを抱いてるやつもいたが、そばを極力離れないってのは共通だ。
「エレジーなんか四六時中俺の近くから離れねーし?どうなの?」