バケバケ



✳︎✳︎✳︎






地下室の扉が開く音がして、シイと灰音が戻ってきた。



「おかえり。大丈夫なの?」


「今寝室で寝てるよ。あいつは丈夫だし全然大丈夫。」


「そっか。よかった。」




「問題はお前らだな。まだ近くにトキがいるかもだし…二人とも負傷してるから遭遇したら大変まずい。」

「負傷させたのは灰音たちだろ。」


「そこでだ!」


「無視かよ。」


「君たち二人には特別道を作ってやる!」


「道?」


灰音はモニターのすぐ下の機械をいじりだした。


「何してるの?」


「洋子の家の近くまで異空間を伸ばすんだ。」


「そんなことも出来るの?」


「もちろん。俺天才だし。」


灰音はパソコンキーボードみたいなのを叩いている。


「エレジーの能力を媒介に作ったやつだからなぁ。エレジーは寝てるし家の近くまでは厳しいか……洋子の学校までならいけるけど?」


「あぁ、じゃあ学校でいいよ。」


「りょーかい。」




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