バケバケ
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地下室の扉が開く音がして、シイと灰音が戻ってきた。
「おかえり。大丈夫なの?」
「今寝室で寝てるよ。あいつは丈夫だし全然大丈夫。」
「そっか。よかった。」
「問題はお前らだな。まだ近くにトキがいるかもだし…二人とも負傷してるから遭遇したら大変まずい。」
「負傷させたのは灰音たちだろ。」
「そこでだ!」
「無視かよ。」
「君たち二人には特別道を作ってやる!」
「道?」
灰音はモニターのすぐ下の機械をいじりだした。
「何してるの?」
「洋子の家の近くまで異空間を伸ばすんだ。」
「そんなことも出来るの?」
「もちろん。俺天才だし。」
灰音はパソコンキーボードみたいなのを叩いている。
「エレジーの能力を媒介に作ったやつだからなぁ。エレジーは寝てるし家の近くまでは厳しいか……洋子の学校までならいけるけど?」
「あぁ、じゃあ学校でいいよ。」
「りょーかい。」