バケバケ
学校か…
どうしよう。
どのみち荷物は全部教室に置いてきちゃったし取りに行かないと…
「洋子、大丈夫だ。」
「えっ?」
「戻りにくいんだろ?とりあえず学校行ってみろよ、不思議なことが起きてるから。」
灰音はそう言って笑う。
なんだろ、不思議なことって。
「さーて、出来たぞ。……二人とも、ついてこい。」
灰音のあとについて、私とシイは地下室を出た。
「こっち。」
灰音が案内したのは一階の玄関とは反対側の扉だった。
「えっ?玄関から出るんじゃないの?」
「玄関は危ないから使わない。この扉から出て。」
「わかった。」
扉というか部屋のドアみたいだった。
ドアノブを握る。
ギィという音を立て、扉がこちら側に開いた。
「洋子、シイ。これ持ってけ。」
灰音は私とシイの手に1つずつ鍵のようなものを握らせた。
「なんだこれ。」
「この店に続く道を開くカギ。何かあったらいつでも来いよ。」
「ありがとう。」