バケバケ
び、びっくりした…
顔すごい近かった。
メガネ外したとこ初めて見たよ…
「洋子、メガネ。」
シイが私に手を伸ばす。
「え、あぁごめん。」
シイは私からメガネを受け取りかけ直した。
「どうした?」
「あ、えと…傷大丈夫かなって…」
「言っただろ、大丈夫だって。」
「そう……」
「……」
「……」
「洋子は…大丈夫だったのか?」
「うん。なんか色々なかったことになってたの。」
「そうか。」
「ごめんね、起こしちゃって。寝てていいよ。」
私は部屋を出るため立ち上がろうとした。
「待って。」
「?」
シイが私の手首を握っていた。
「なに?」
「……やっぱりなんでもない。」
「?…へんなの。じゃあご飯食べてくるから。」
「うん。俺は少し寝るわ。」
「おやすみ。」
シイの部屋を出て、静かに戸を閉めた。