バケバケ
―私立愛空幼稚園―
超のつくエリート幼稚園で厳しい入園テストがあるらしい。
ここを卒業する園児はみんな有名な私立小学校へ入学する。
現在の園児は数は約300人、隣には付属小学校があり、敷地はかなり大きいみたいだ。
「これなら侵入しやすいな。」
「えぇっ!?侵入するの?」
「入らなきゃ何が起きたか分からないだろ?」
「そうだけど…」
シイはキョロキョロと辺りを見回して様子を窺っている。
「シイ一人で行ってよ、シイなら誰にも見えないんだし、すぐ入れるでしょ。」
「ダメだ。園児たちに見えなかったら聞き込みが出来ない…」
「…でも侵入はちょっと…」
「よし!正面から行こう!!」
シイは勝手に園の門をくぐってしまった。
「あ、ちょっとシイ!!」
私も後を追いかけて門に足を踏み入れる。
―ブーーッ
私が門を通過しようとした途端にブザーが鳴り響いた。
「へっ?なに??」
私はあっという間に警備員に囲まれ、すぐさま外につまみ出されてしまった。