バケバケ
「……」
シイが渋々手を放す。
「どうやら成功みたいだな!」
灰音は誇らしげに笑った。
「さてと、次シイと洋子行くか?」
「え…」
なんか今の見る限り幼心の具現化に不安が…
「エレジー!いつまでいじけてんだ、仕事!」
しゃがみこんでいたエレジーは横目で灰音を見たあと、のそのそと立ち上がった。
「わかったわよぅ…。洋子、シイ、そこに並んで立って。」
「こう?」
「そう。動かないでね。」
エレジーが鏡をこちらに向ける。
さっきと同じ光が辺りを包んだ。
「終わったわよぉ。」
エレジーはため息まじりに言った。
見ると足下に小さな頭が2つ。
「あっ!!」
私たちを見上げる2つの顔。
その顔はそれぞれ私とシイにそっくりだった。
小さな私が私の手を握った。
「お姉ちゃん、あそぼー?」
小さい頃の自分に会えるなんて不思議な気分だ。