バケバケ
―「だれだ、おまえ!」
「ダメだよ、タイキ君。言葉づかいが悪いよ。」
「うるせーな!」
―チビッコたちはさっそく怪しまれていた。
「灰音!どうしよう…」
「大丈夫。チビッコたちを信じよう。」
―「おまえら何組だ?」
「……」
―沈黙が続く。
「灰音…」
「大丈夫だってば…たぶん。」
私たちには見守ることしか出来なかった。
ここで、モニターから沈黙を破る声…
―「おまえらこそなんだよ。」
この声は…
チビッコシイだ!!
「ナイスだ、シイ!!いけいけー!!」
隣で灰音が拳をブンブン降り下ろしている。
―「俺は…ユリ組のタイキだ!」
ちょっと太めのガキ大将のような園児がなぜか威張って言った。
「私はサクラ組のセイラ。はじめまして。」
タイキ君の隣にいた小柄で色白の女の子がお辞儀をした。
モニターにチビッコシイの背中が映る。
「俺はシイ。隣にいるのは洋子だ。」
―「あれ…俺は?」
灰音はモニター前で愕然としていた。