バケバケ
タイキくんたちに連れて行かれた幼い私たちは広い運動場の真ん中辺りに来た。
そこには十数人の子供と、先生らしきエプロンを着た男の人がいた。
―「三好先生!」
「タイキくん!どこ行ってたの?」
「ともだち連れてきたんだ!!シイと洋子と…」
―チビ灰音をみて困るタイキくん…
しばらく考えたあと、そのまま話を続けた。
灰音、かわいそうに。
―「花一匁いれてもいい?」
「もちろんだよ。」
三好先生と呼ばれた男の先生は微笑んで受け入れた。
画面に嬉しそうなタイキ君の顔が映る。
―「この幼稚園の花一匁はちょっと特別なルールがあるんだ。」
「特別なルール?」
幼い私がきいた。
「おう!負けたチームが勝ちなんだ!」
「負けたチームが?」
「どういうことだ?」
シイも話に割って入る。
「花一匁ってお昼休みの時間中に終われないことがおおいだろ?だから先に人数が三人になったチームを勝ちにするんだ。」