バケバケ
モニターに映っていたのは見覚えのある顔だった。
栗色のストレートヘア、銀縁のメガネ、そして手に持っているのは黒地に白い水玉模様のカサ。
前に一度会ったことがある…
この青年は…
―「この生意気な目つき…小さくなってもすぐわかりましたよ、灰音くん。」
画面に冷たい笑みを浮かべた青年が移る。
「さて、僕は本体に用があるんです。裏切り者の灰音くんにね。」
やっぱり…
この人はハイネを連れ戻しに来たんだ…
思い出した…
この人の名前は…
シグ…
トキの側近。
―「早く灰音くんを呼び出さなくてはね。トキ様に怒られてしまう。」
ハイネが危ない!