バケバケ
私は携帯を開いた。
そして一番上の少し大きめのボタンを押した。
一発でハイネに繋がるボタン。
この携帯を買ってもらった時にハイネに設定してもらったものだ。
私は携帯を強く握りしめた。
…ハイネ、…
―「もしもし?」
「ハイネ!大変よぅ、チビハイネが捕まったわ。…シグがいたの…それで…」
「あぁ、だろうな。」
「…知ってたの?」
「なんとなく知ってたよ。」
「じゃあ早く……!」
その時だった。
画面が動いた。
そしてシグの後ろが見えた。
ここ…幼稚園の中じゃないわ。
暗くて…
奥に見えるのは何かの機械…
―「エレジー?」
「!!」
突然画面の中のシグが私に話し掛けてきた。
―「近くに灰音くんがいるのなら伝えてください。」
そうだった。
シグは私の能力を知っている。
だからこんなことを…