バケバケ



「へ、へんしつしゃだー!」


女の子は叫びだした。


「うわっ!しーっ、たのむから…」


「へんたいだー!」


「へ、変態?!ちが…」


「へんたいだー!へんたいだー!せんせー!」


女の子はもも組の中に消えた。


…まずい!




―ガラッ


モモ組の引き戸があき、髪を後ろで1つに束ねた女の先生が顔をだした。


「!」


今…目があった!


「…?」


女の先生が顔を引っ込める。


どうしよう、バレたか?


見られたか?




教室の中から声が聞こえた。


「めぐみちゃん、誰もいなかったよ?」




…セーフ。


俺の姿は見えなかったようだ。


やっぱり仮説は正しかったんだな。


園児にだけバケバケが見える…






「うぉ!!」


「?!」


今度はなんだ?!


「シ、シイさん…?」


「お前…!」


俺のすぐ足元にいたのはあのタイキだった。


「でっかいけど…シイさんそっくりだ!」


どうする?


こいつはバケバケの可能性が高い。


だとしたらどこかにバケバコを持ってるに違いない。




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