バケバケ
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「もうすぐですよ、」
「はい。」
私は三好先生について園内を歩いていた。
裏口から園に入り、そのまま校舎の裏を歩いている。
なんかじめじめして暗いところだ。
こんな所にいるのかな?
「あ、いたいた!」
三好先生の指差す方向に幼い私の姿があった。
……あれ?
様子がおかしい…
「なんで…」
幼い私は木の根元に座っていた。
両手を後ろに縛られ、口を封じられた状態で…
「どうしてこんなこと………うっ!」
首の後ろから強い痛みが走った。
「あれ?…気絶しない…意外に丈夫な女の子だね。」
「三好先生…?」
どういうこと…?
「驚かせてごめんね。なんかいろいろ探ってたみたいだけど…」
「!」
「事件のことなら犯人は僕だよ。」
「えっ…」
じゃあ、三好先生がバケバケ…?
「トキさんに頼まれて子供たちの心を集めてたんだよ。」
「……」
「そしたら君たちが来て…ちょうどよかった。洋子ちゃん、君も捕まえてくれって頼まれてるんだ。」