バケバケ
閉じ込められた…。
気付いてはいないだろうけど、ここにいる子供たちはみんな閉じ込められたんだ。
それで、心の力を取られる。
早く脱出しなくちゃ。
ここにいる子供たちも早く出さないといけない。
私は立ち上がった。
どこかに絶対脱出口があるはず。
私は遊園地内を歩きまわった。
偽物とは思えない出来だ。
あらゆるアトラクションがあり、植物もある。
ただ、遊園地のスタッフらしき人は見当たらない。
いるのは私と子供たちだけ。
鳥や虫などの生き物もいなかった。
植物も良くできてはいるけど、本物じゃない。
あの小さな箱が作り出した世界…
私は少し怖くなった。
これだけのものが作れるんだ。
あの箱の力は計り知れない。
私はこの世界の端を探すため最初にいた道から一度も曲がらず、真っ直ぐあるいた。
私にはバケバコを壊す力がある。
もし私がものすごく小さくなって箱の中に入れられたとしたら、この世界のどこかに箱の側面にあたる部分があるはずだ。